私の失恋の行き着く先は…No.5
「陽亮さん、ありがとう」
久しぶりに心から笑えた気がする。
「俺こそ、ありがとう。冴子を誰かに取られたりしてたらどうしようかと不安だった。仕事に集中して転勤期間2年のところ、1年で戻ってきた」
「取られるとかないから」
私はもうすぐ30歳になるし、美人でも可愛くもない。
誰かに取られるなんて有り得ない。
「冴子、痩せたっていうか、やつれた?」
確かにその通りで反論の余地がない。
「なに食べても美味しくなくて…。食べる量は減ったかも…」
「よし!食べるぞ!」
「うん?」
陽亮さんは次々と料理を注文していく。
しばらくしてテーブルの上にはたくさんの料理が並べられた。