私の失恋の行き着く先は…No.5
「陽亮さん、こんなに食べられないよ」
「食えるだけ食え。俺、腹減ってるし。機内ではずっと寝てたし、今日はほとんど食ってないし」
「ちゃんと食べなきゃダメだよ!」
自分のことはさておき、陽亮さんの身体のことは心配で仕方ない。
「これからは冴子が心配してくれるだろ?」
「う、うん…」
なんだか急に恥ずかしくなってきた。
「冴子は明日休みだし、俺も仕事は来週からだから」
「そうなんだ…」
「だから、今夜は覚悟しといて」
「へ!?」
陽亮さんは黙々と食べ始めた。
なんだか今、すごいことを言われた気がするけれど、これから永遠にずっと続いていく陽亮さんと一緒の時間を大切にしていきたい。
左手薬指に嵌められた指輪がキラリと輝いた。
【終】