セカンド・ファミリー(新バージョン)
和也さんの手が緩まる。
すると私の手を繋いでくれた。
和也さん……?
「顔を……上げて下さい。
俺は、あなたを憎んだりしません」
「和也……」
お父様が驚いて顔を上げた。
「確かに……憎んでいた時期もありました。
あんなに絶望や辛い思いをした事は
一生忘れられない。
でも、今は…新しい家族が出来て幸せに
やっています。
だから今は、あなたを憎んだりしていません」
そう言った和也さんの表情は、
さっきまでの険しい表情と違い柔らかい表情に
戻っていた。
真っ直ぐと前を向いて
「和也……お前……」
「この状況だと契約は、難しいです。
だから新しい企画書を考えて来て下さい。
ビジネスとして……新しい商品が売れそうな物なら
改めて契約を結びたいと思います。
話は、それからです」
「あなたと俺は、もう親子ではないけど
ビジネスパートナーとしてこれからも
お互い協力をしてやって行きましょう!」
そう言いニコッと微笑んだ。
和也さん……。