セカンド・ファミリー(新バージョン)

「す……すまなかった。
本当に……すまなかった……」

涙を流しながら必死に謝っていた。

お父様は、深く反省をした事だろう。

その涙は……和也さんの事を想っての事だと
思いたい。

お父様は、その後
何度も頭を下げて帰って行った。
無事に話し合いが終った。

部屋から出て行ったのを確認すると
和也さんは、深くため息を吐いてそのまま
座り込んでしまった。

「だ、大丈夫ですか!?」

慌てて駆け寄る私。

「ハァッ……疲れた。
こんなに緊張したのは、学校の受験以来だ」

疲れたようにぐったりとしていた。

無理もない。
あんなに会うのに抵抗していた相手だ。

恐怖や怒りを必死に抑えて自分を保ていたのだから
精神的にも疲れただろう。

和也さんは、自分に勝ったのだ。
トラウマを乗り越えるなんて……凄い。

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