セカンド・ファミリー(新バージョン)
無理もない。
そう簡単に全てがリセットなんて出来ないもの。
ちゃんと向き合えるようになっただけでも
一歩前進したのだ。
「……お疲れ様でした」
ドキドキしながらも奥さんがしてくれたように
優しく包み込むように抱き締め返してあげた。
しばらく抱き締めた後
和也さんは、ハッとした表情で
私を引き剥がしてきた。
えっ……?
「ごめん……俺何をやっているんだが。
義妹相手に……」
慌てたように言うと
応接間から出て行ってしまった。
唖然とする私。
まるで避けられたような態度に
悲しい気持ちになった。
和也さんは、私のことを
どう思っているのだろうか?
それが恋だと気づくには、
時間は、かからなかった。