セカンド・ファミリー(新バージョン)
慌ててベッド近くにあった時計を見ると
夜の19時過ぎていた。
来たばかりの寝ちゃうなんて……。
慌てて立ち上がると下におりた。
来たばかりのに家に
呆れられていたらどうしよう。
リビングの前まで行くと
楽しそうな話し声が聞こえてきた。
「もう和兄ったら、杏梨のお迎えを忘れるなんて
信じらんない」
「だから謝っているだろ?
仕事が立て込んでいたからで
別に忘れるつもりではなかったって」
「どうだか?和兄は、
杏梨より仕事が大事なのよ」
「お前は、ヒステリックな彼女かよ!?」
そう和也さんがツッコむと奥さんと旦那さんは、
アハハッと笑っていた。
楽しそう……。
目の前に聞こえてくるのは、
私がずっと欲しかった家族そのものだった。