セカンド・ファミリー(新バージョン)
あれが、偽者の家庭なのだろうか?
どう聞いても血の繋がった幸せそうな声だ。
いいなぁ…私もあの中に入れたら
開けようと手を伸ばそうとした。だが、
出来なかった。
私が行った所であの様になれるとは、
思えなかったからだ。
入って冷めた雰囲気になるのが怖い。
皆そうだったから……。
その時だった。
「それよりさ~新しい
家族が増えるって本当なの?」
幼い可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
ビクッと肩を震わせる。
「えぇ、そうよ。
西森春花って言うお姉さんよ。
お姉さんの言う事をちゃん聞くのよ?杏梨」
「え~いくら年上でもここだと後輩じゃん。
私が先輩として厳しく指導するもん」
キッパリと言い切る女の子。