セカンド・ファミリー(新バージョン)
夕食を皆で食べるのは、施設以来だ。
でも、ここも施設同様に他人同士が
集まっているだけで本当の家族じゃない。
食べながらチラッと周りを見る。
私は、旦那さんの隣に座り
向かい側に和也さんと杏梨ちゃん。
奥さんは、間に座る。
「ママお代わり。
和兄ちゃんこれ。ちょうだい」
「いいけど…少しだけだぞ」
「えー全部ちょうだいよ~」
杏梨ちゃんは、和也さんのおかずを欲しがった。
「こら、杏梨。
ご飯は、いいけどお兄ちゃんの分まで取ったら
ダメでしょ!?」
「アハハッ…」
奥さんが叱るとそれを見て旦那さんが笑っている。
他人同士なのに
何でこんなに家族らしいのだろうか?
見ている光景は、さっきと同様に私の憧れている
家族像だった。
私にとったら不思議で仕方がない。