セカンド・ファミリー(新バージョン)
持って来てくれたのは、オムライスだった。
「うわぁ~美味しそう」
半熟たまごになっていて凄く美味しそうだった。
「当然よ。ママの作るオムライスは、
凄く美味しいんだから」
力説する杏梨ちゃん。
「そっか…食べるのが楽しみ。
いただきます」
手を合わせてオムライスを食べてみた。
確かにふわふわと半熟になっていて
とても美味しかった。
それだけではない。なんだかオニオンスープも
心の底まで温かくて
「あらあら。涙が…春花。大丈夫?」
奥さんは、心配そうな表情をしてきた。
えっ……?
慌てて手で拭うと泣いていたらしい。
食べて泣く事なんて今まで無かった。
いや、泣くことすら忘れていたはずなのに
どうも奥さん達の優しさに触れると
涙が溢れてくるようだ。不思議と…。