セカンド・ファミリー(新バージョン)

その優しさは、不思議と私の傷ついた心を
癒してくれた。欲しかった言葉をくれる。

「……ありがとうございます」

私は、心配かけまいと笑えないのに無理やり
笑顔を見せた。

「……笑顔が嘘くさい」

そうしたらバッサリと杏梨ちゃんに切り捨てられた。

(うっ……)

当たっているだけにグサッと傷つく。

「こら、杏梨。
またお姉ちゃんに酷い事を…」

「だって嘘くさいんだもん。
笑えないなら、無理して笑う必要ないんじゃないの?
女優ではないのに。
まぁ、女優ならもっと上手く泣くけど」

……ごもっともです。

「す、すみません」

しゅんと落ち込んでしまう。

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