セカンド・ファミリー(新バージョン)

「まだ決めてないです」

不登校だから学校にも行っていないし
何もすることがない。
せめてバイトぐらい探さないと……。

「じゃあ、杏梨を送った後にお買い物をしましょう。
服とか色々揃えなくちゃあ。
フフッ、敬語で話さなくても大丈夫よ!
娘のように甘えていいのよ」

そう言って笑いかけてくれた。

「は、はい。あ、じゃなくて…うん」

慌てて返事をする。
何だかくすぐったい。

食事を済ませると奥さんの運転する車で
杏梨ちゃんをスタジオまで送って行き
帰りは、買い物をした。

お金を出すと言ったが
娘なんだからと言い色々と揃えてくれた。

何だか申し訳ないが嬉しかった。
そして自宅に着くと

「ただいま。さて春花。
夕食の準備を手伝ってちょうだいね」

ニコッと笑顔でそう言ってきた。

「う、うん。」

慣れないが返事をした。
何だか必要とされている事が嬉しかった。
本物のお母さんの時は、お帰りと言っても
無視されるか、なかなか帰って来なかったから

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