セカンド・ファミリー(新バージョン)

『ママ……』

『うるさいわね。今から出掛けるから邪魔よ!』

『あんたさえ……居なかったら
私は、もっと自由になれたのに』

ハッとする。
今何故か母の言葉が頭の中に過った。

何で……?

思い出したら心臓がバクバクと高鳴りだした。
震えるような恐怖感が私を襲ってくる。

まるで何かに怯えているように

「どうしたの?春花。
顔色が真っ青だし震えているわよ?」

「いえ……何でもありません。大丈夫です」

自分でも分からなかった。

この震えを静めないと……でも、どうやって?
頭が真っ白になっていく。

その時だった。
奥さんが私を包み込むように抱き締めてくれた。

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