セカンド・ファミリー(新バージョン)
こんな綺麗で上品そうな人なのに
自殺願望があったの?
私は、驚いてその人を見た。
「良かったら話して下さらない?
あなたの悲しい気持ちを……。
力になれないかもしれないけど、少しなら
理解が出来ると思うの。
同じことをしようとしたもの同士なら」
「……私は……」
その中年女性の表情を見たら
話さずには、いられなかった。
どうしてか分からないけど
ただ愚痴りたかったのかも知れない。
この人なら……理解してくれるような
気がしたからだ。
そう思わしてくれるような
不思議な雰囲気があった。
すべて話した。
中年女性は、否定もせずに黙って
私の話を聞いてくれた。
こんなに自分の気持ちを出したのは
いつぶりだろうか?
「……そう。それは、辛かったわね。
よく頑張って今まで生きてくれたわ。ありがとう」
何故だか女性は、私にお礼を言ってきた。