セカンド・ファミリー(新バージョン)

奥底で傷ついた心は、あるきっかけに
忍び寄ってくる。怖いのだと思う。

俺もいつか。
あの人達みたいになるのではないかって。

女性を愛することも
子供を愛することも出来ないのでないかって

歪んだ愛情を相手にぶつけそうで怖い。

愛してくれた今の両親でも
いつか俺が巣立てば
存在すら無かった事にされそうで怖い。

そう思ったら……気持ちまで沈んで行く。

そのせいか、結構
歪んだ生活をしていたと思う。

杏梨が我が家に来るまでは……。

杏梨に接する母さんを見たり
自分が面倒を見ている内に俺にも
何か出来そうな気がしてきた。

そんなある日。
父さんに会社を継げと言われたんだ。

親戚中は、養子である俺を継ぐのを反対していたから
無いだろうと思っていたから正直驚いたな。

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