星の雨〜闇夜こそ輝く星〜
それからしばらくして神楽のお父さんと待ち合わせている所に行った。




「ここだよ。」




「また飲食店?」


「いーの」





中に入り姿を探すと人気のないすみに座っていた。




神楽を引っ張りそばまで行く。



「あのすみません。待たせてしまいましたか?ごめんなさい」





「あーいいんだよ。」




ほんとに神楽と一緒で優しそうに笑う。




「なっっんで。…帰る。」

帰らせません!

「ダメ!ここ座る。」


無理やり座らせた。神楽のためだ。私が怒られようとここは、譲らない。



「星ちゃんごめんね?ありがとう」





「いえいえ。あ!このマカロンぜひ召し上がってください。美味しいマカロンですので」




「あーお気ずかいどうも。」





「お前まさか今日の用事って」




「うん。車で神楽が寝てる時話しをしたんだよ。」

神楽に一通り訳を話した。


「神楽。ごめんな。今まで大変だったよな。親なのに何もしてあげられなかった。すまん。」




そう言ってお父さんこと透さんは、頭を下げた。



「父さんもういいよ。何も出来ないのは、当たり前だろ?離れてたんだから。」




「いややっぱり親としては、な」


でも2人の思いは一緒だ。
親と離れてて寂しくないなんて神楽は、思わない。

「あの。透さんは、今どうしたいんですか?神楽に言わないと伝わりませんよ?
今日は、そのためだったんですよね?」




「あーそうだな星ちゃん。ありがとう」




「いえ。」

「優しいな。そういうとこが星ちゃんの良いところだな。」

そう言って透さんは、神楽に話し始めた。




一緒に暮らしてほしこと。好きな道に進んでほしいこと。今まで何も出来なかっ分と親らしことをしたいこと。わがままを言ってほしいこと。




「神楽。今からじゃあダメか?」





「過去のことは、もう終わったことだから謝らないでほしい。それと俺は、わがままを言うつもりは、ない。けど今からでもいいなら高校出たら父さんのあとを継ぎたい。」




「神楽?俺の跡継ぎって」




「子供の頃から父さんの仕事見て夢だったんだ。中学生の頃から離婚したあとも勉強だけは、頑張った。経済のことも経営のことも独学で学んだ。まだまだだけど頑張りたい。」





透さんは、涙ぐんでいる。

親子の絡まった糸が解けて綺麗で強い糸に。
幸せだな。こんなにも笑えてるなんて。



それからたわいもない話をして解散となり神楽は、今月の間に引っ越すことがきまった。


それから帰り道。夕焼けはやっぱり今日も綺麗で。
私たちを照らしていた。


「なぁ星。いろいろありがとう」



私は、何も言わず手を繋いた。




なんかいろいろあった1年だな。



最初は、高校生活なんてって思ったけど以外と悪いもんでもないな。


そう思いまた一日が終わった。


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