星の雨〜闇夜こそ輝く星〜
夜。


あの日を思い出す。


先輩の綺麗な涙と笑顔。


夜空に照らされた横顔。月よりも星よりも輝いていた。

バァン!

「イズ!」

いきなり開かれた扉。


咲夏だ。


「そこの机にある。あと答えが間違ってやつ直してやったから」


こいつは、昔から数学が弱い。

先輩は、数学まぁまぁだったな。って俺は、一日中先輩ばっかだ。



「イズ!好きな人できたってほんと?誰?」


こいつは、誰に聞いたんだよ。


「拓から聞いたの!ね!誰?」


「あのなー言うわけないだろ!」


「ふーんならイズのお母さんに言っちゃお~」


こいつは、おれの弱点をついてきやがった。


まぁいいか教えるくらい。


「星先輩」


そう言うと咲夏は、泣きそうになる。


「おい。どうしたんだよ。」


「なんでもないよ!嬉しくてははっでも気おつけてねもし何かあったら言って?ご飯でもなんでも付き合うからさ!」



何言ってんの?こいつ。俺が振られるみたいな。

これからだっつの。やっと距離縮まって来たんだから。

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