星の雨〜闇夜こそ輝く星〜
「星ーー!そろそろ帰るよー!」


そんな声が後ろから聞こえる。


美穂か。


「神楽、行こ。」


「もうかよ。まだいたい」


「しょうがないでしょ!ホテルの時間とかもあるんだし先生に怒られるよ。」


「でも京都なんて滅多に来れないじゃん。」


あー。そっか。神楽中学の修学旅行行ってないって言ってたな。



「また来ようよ。今度は、ゆっくりね?」


そう言うと嬉しそうに笑って手を繋ぐ。


「お待たせー!」


「おそーい!さぁ行こ!」


秋の声でみんなが動き出す。


ホテルに着いてからは、割と忙しかった。


班長で集まってご飯食べたらすぐお風呂で


就寝前の休み時間。やっと一息。


飲み物を買いに歩いてると外に人影。


ここはお庭みたいになっている。


5階だけど。


そっと覗くと神楽だ。飲み物買ってあげよう。


暖かい飲み物を買ってドアを開ける。


さっき見た神楽は、いなかった。
探すとうずくまっている。

お腹を抑えていた。


「神楽!!大丈夫??」


「あぁ?星か。平気だ。」


いやいや痛そうだよ?


「すぐ収まる。ちょっと来て。」


そう言って腕を引っ張られ神楽の足の間に座った。


「こうしてると大丈夫になる。」


そういう神楽の声は、切なくて何も言うことができなかった。こんなんで治るって…




こないだのアザがやっぱり…何かあったのかな。



言ってしまったら神楽が離れていきそうで…


私には、言うことができなかった。


勇気がなかった。



私にとって終わらない恐怖.

神楽にとっても終わらない恐怖だ。
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