星の雨〜闇夜こそ輝く星〜
事務所について美穂と合流。



「星!やっほー!暑いねー!」



全部の言葉にびっくりマークがつくくらい元気な美穂の熱は、夏よりも暑いかも。


「それで?取り直しなんでしょ?」


「それは、置いといて。まだ時間あるし。
星!なんかいい事あった?顔赤いし」



「え?!ないよ!」



びっくりしたー。顔赤いのは、多分走ったから。そういうことにしておく。でもなんで神楽の顔が浮かんでくるの!



「星!せーい!」


「はい!嬉しいこと考えてにやけるのいいけど
レコーディングルーム行くよ!」



「うん!にやけてない」


そう反論しながら美穂とレコーディングルームに行った。



にやけてなんかない。でも神楽のことが頭から離れない。考えるのやめよ。頭痛くなる。




お昼過ぎに事務所についてからもう今は夜の7時そろそろ帰りたいがなかなか終わらない。



「ここの間違えを直せと言ったんだ!どうしてこのままになってる!音声データととっけと言ったろ!」



「すみません!!」


どうやらミスが続いたらしい。


これじゃしょうがない。いったん解散にしたほうがいいね。ゆっくりミスを直した方がいいし。



「あの。今日は、解散にしましょう?急ぎの曲じゃないし。ゆっくり自分のペースでミスを治してからレコーディングしましょう。ミスが治って完璧になったら言ってください。またくるんで」




「美穂さん星さん!すみませんでした。僕のミスで」


そう誤ってきたのは、新人さんだった。年は、上なのに敬語って律儀だな。



「いいですよ!ミスなんて誰でもありますし。
ミスできるうちにいっぱいして怒られた方が自分のためですよ!ミスしたらその分わかることが多いですから。それでは」



そう言って美穂と事務所を出た。



「あーもう夜だー。星は、優しいよねー。
あの新人さん大丈夫かな?心折れてないといいんだけど。」


「自分のミスで心折れてたら身が持たないし仕事やってられないよ?私らだってちょー怒られたし笑笑」



「確かにね」



美穂とは、昔話をしながら別れた。

夜道を歩いていると神楽が遠くで数人の男の人達に囲まれているのが目に入った。



結構チャラめの人だな仲いいのかな?

じっと見てると神楽そのまま細い路地に消えていった。


その時私は、ただの神楽の友達と思っていたんだ。


神楽の素性を知らずに…

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