君の上目遣い
下田くんを追い払ってくれた男の子が私の元へ駆け寄ってきてくれた

「立てますか?」

手を差し出してくれたが、さすがに今男の手を触りたくなくて大丈夫、と一言断ってなんとか自力で立ち上がった

「ありがとう。おかげで助かったわ」

「いえ、男として当然のことをしただけです。それじゃあ」

男の子は私に背中を向けて持ち場へ戻ろうとした



「?」

咄嗟に彼の袖を掴んで引き止めてしまった

「あの…何か?」

私よりも背が高いその男の子は不思議そうにわざわざ私の顔を覗き込んで上目遣いで見てくる

綺麗な瞳

「何かお礼がしたいの!名前と連絡先を教えて!」
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