ランシール王国の王女様物語





「・・・泣くな」


ピタッと額に冷たい何かが乗っかった

大きくて、ちょっとゴツゴツした手


「・・・へ、陛下!!申し訳ございません!」

「それは別にいい。
・・・こいつはなぜ泣いていた?」


綺麗な声・・・この手、安心する

顔は見えないけど、お父さんだ。


「・・・その、環境の変化に少し驚いたのかもしれません」

「そうなのか?」

「はい。赤子は些細な変化にも敏感ですから。
まぁ、1番の理由は兄様だと思うんですけど、」
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