ダメ。俺のそばにいて。
■brillante
─ドンドンっ!と騒がしい太鼓の音が校庭から聞こえた。
いつもよりもかなり朝早い時間だけど、校内は生徒で溢れかえっている。
しかも、学園祭独特のワクワク感が全員を包んでる感じ。
それは、私も例外じゃないけど。
「ねえ、茉優、どんな感じ?」
「いい感じだよ〜っ、ほら!」
明らかにご機嫌な茉優が、私の右目下に押し付けていた濡れたティッシュを取る。
ひんやりしたものがなくなって、なにかが張り付いている感覚が残った。
「はい、鏡!」
手渡された鏡を見ると、さっきの場所に1つだけラメ付きピンクのハートが浮かんでる。
そして、私の目の前にはお揃いのハートを左目下につけている天使。
やっときた学園祭当日に、こんなタトゥーシールをつけちゃうなんて、ウキウキしすぎ?
でも今日は楽しんだもん勝ちだよね!