ダメ。俺のそばにいて。
受付の女の先輩に「2人、入れますか?」と告げる。
「はーい。入れますよ〜!」
優しそうに笑った先輩は、メガネをかけていて落ち着いた雰囲気。
そんな風に見惚れていると、声をナレーション調にして説明が始まる。
「ここは、海賊船!あなた達は極悪な海賊に捕まってしまいました!外に出るためのドアは3つ。全て破って無事に危険な海を脱出してくださいね!それでは良い大航海を〜!」
なるほど、海賊をモチーフにしてるだけあって、設定が面白そう…!
あんまり表情を変えない久遠くんと共に、開けられた扉に入った直後、
「え!?ちょっと待って!?今、久遠真尋、入っていかなかった!?」
「え?さ、さぁ…、私後輩のことよく知らないし…。」
「えーーー!久遠真尋来たなら、あたしが受付やりたかったぁー!!!」
そんな会話が廊下から聞こえてきて、冷や汗が出てくる。
や、やっぱり久遠くんは、全然有名だった…!
受付の先輩が、疎くなかったら危うく騒ぎになるところでした!危ない!