ダメ。俺のそばにいて。
外に出て、出口のドアを閉めたことによってホッと一息つく。
目の前の人は、なんだかケロッとしてるけど。
「でも、久遠くん本当にすごいね!」
「…なにが?」
「謎解き!だって、どんどん答えちゃうんだもん。」
「んー…、別に普通だと思うけど。」
首を傾げて、キョトンとする久遠くん。
そういえば、前に私がピアノに感動した時も『普通』だって言ってたな…。
久遠くんの普通って一体なんなんだろう…!
呆然とそう思っているうちに、なんだか騒がしい音が聞こえる。
「いたっっっっっっっ!!!!久遠くん!!!クラスに戻りなさーーーい!!」
「戻らなくてもいいから、あたしと回ってぇぇぇぇ!!」
叫びながらこっちへ走ってくる女の子たちはざっと十数人。
混雑してるのに、あまりの気迫にみんな道を空けてるし…!