ダメ。俺のそばにいて。
─ガタガタッッ!!
大きな音を立てながら、逃げ込んだ先は体育準備室。
「はぁっ……、もう誰もきてない?」
「今のところは。」
走るのに必死で息を切らす私とは違って、久遠くんは余裕そう。
少しだけ肩が上下してるけど、特に息が乱れてないなんて…!
後を追う女の子は徐々に増えていくし、挟み撃ちされそうになったり、なんだかもう本当に命まで狙われている気分だった…。
そこでなんとか辿り着いたのが、ここ。
あー…、疲れた…!
積み重ねられたマットの上にドサっと座る。
「いや、まさかあんなに追ってくると思ってなかった。」
「ほんとだよね。体力がおかしい…。」
絶対、特殊な訓練受けてる。
疲れ切って遠い目をしている私の横に、久遠くんも座った。
「それにしても、私まで走る必要あった?」
「いや、星玲奈も追われてたじゃん。」
「ま、まあ…、そうだけど…。」
手まで繋がれたら、さすがに騒ぎになりますからね!