ダメ。俺のそばにいて。
「あ、茉優ちょっとお手洗い行ってくるね〜っ」
「うん、いってらっしゃい。」
私が了解すると、席を立った。
その途端に、真音が私にひっつく。
「…なに、どうしたの?」
「ねぇ、ちょっと星玲奈さ〜ん?聞きたいことがあるんですけど〜?」
「え…嫌な予感しかしない。」
だってすっごいニヤニヤしてるんだもん!
なにか企んでるとしか思えない!
前から私に拒否権が存在してないと思っているらしい真音は、ちょいちょいと手招きする。
渋々、耳を真音の口元へ持っていった。
「星玲奈、久遠真尋と学園祭回ってたでしょ。」
小声で放たれた言葉の威力はMAX。
「…っ、あっ、ごめんなさい!」
思わず持っていたトングが手から滑っていて、結構大きな音がしてしまう。
クラスのみんなに何でもないと身振り手振りで伝えて、真音に向き直ると、…もうそれはそれは楽しそうなくらいのニヤニヤ顔…。