ダメ。俺のそばにいて。






私の必死の否定にキョトンとする真音。


いや、そんな照れなくてもいいよ?みたいな空気どうにかして。




「ちょっと今日見かけて、ただ気になっただけだから…っ!」



本当は少しだけ会話もしたんだけど。



音楽室のことを話すと、なんだかめんどくさいことになりそうだから黙っておく。



私の言葉に「そうかー。」とだけ呟いて、真音はフレンチトーストを頬張った。




「んー、本人があんまり女子とは交流しないらしくて、この前の情報以上のことはそんなに知らないなあ。周りからは『プリンス』って呼ばれてるってことくらい?」


「プリンス…、まあ確かに王子様っぽいけどね…。」


「あ、あとこの前の期末試験学年1位だった!さすがハイスペックプリンスって感じ!」




「まあ私の恋愛対象は、年上なんだけど。」と付け加えられた情報に頷いて、ワッフルを口に入れる。



口に入れた瞬間フワッとした感触が解けて、甘みが広がった。



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