ダメ。俺のそばにいて。
でも、別に久遠くんがイケメンだから、とかそんな理由で近づきたいんじゃなくて。
そうじゃなくて、本当に純粋に気になるの。
あんなに素敵な曲を弾いていた久遠くんが。
不思議な人だけど、なんだか惹かれてしまう。
まあこれが久遠くんのオーラとか魅力なのかなあ…、もしそうならまんまとやられてる感がすごいけど!
左手の水をぽちゃぽちゃ言わせながら、たどり着いた5階。
突き当たりまで真っ直ぐ進むと、今日は何も音が聞こえてこなかった。
…やっぱり、いない?
少し寂しさを感じつつ、扉を開いてみる。