ダメ。俺のそばにいて。
ついていくなら私より坂口くんの方が断然頼りになるから、まあいっか。
坂口くん優しそうだから、茉優が嫌がることはしないだろうし。
まあ、もし坂口くんが何かしようと思っても、小柄な見た目とは裏腹に、茉優はある程度の護身術身につけてるから大丈夫かな。
なんて思いつつ、「わかった。」と了承すると茉優はニコッと笑った。
「じゃあ、星玲奈また明日ねっ。」
「うん、ばいばい〜。」
家が近いのに校門前で分かれるなんて変な感覚。
面白おかしく思いながら、茉優と反対方向へ歩き出す。
学校近くはガヤガヤしてるけど、最寄駅へ向かう道を進んでいくと、人はまばらになってくる。
それにしても、真音って本当にお裁縫上手いんだな〜、ていうか難波くんにも器用さ負けたの辛いなあ〜。
なんてボーッと信号待ちしてたら、トントンと軽く誰かに右肩を叩かれた。