ダメ。俺のそばにいて。
え?誰??私、邪魔かな…?
ビクッと肩をすくめながらそっと振り向くと、チラッと見えたハニーブラウンの髪の毛。
「え、く、久遠くん…!?」
目を見開いた私と対照的に、いたずらっ子のように目を細めて私の反応を楽しんでる久遠くんがいた。
「やっぱり。星玲奈だった。」
「えっと、え?どうしたの…?」
「どうしたのって、俺の下校ルートだし、ここ。」
「あ、そうなんだ…、久遠くんも電車通なの?」
「そ。」
なんだかご機嫌そうな久遠くんが私の隣に並んで、青信号になるのを待つ。
え、なにこれ、なんで私あのプリンスと一緒に信号待ちしてるの?
あのハンター達(女子)はどこいったの!?
「星玲奈が教えてくれた隠れ道で来たら、誰にも捕まんなかった。」
「隠れ、道…。ああ、この前教えたとこ?」
「そう、おかげで駅まで平穏に歩ける。」
私の心が読めるのか、ナイスタイミングで種明かしをする久遠くんに納得する。
だからちょっとご機嫌なんだね。