ダメ。俺のそばにいて。
「じゃあ、星玲奈ばいばーい!」
「うん、真音また明日ね。」
元気よく教室を出た真音に手を振り返して、私もバックを肩にかける。
続くように茉優にも「ばいばい」と告げると、惚れ惚れするくらい可愛い顔で「うん、ばいばいっ」と言われた。
あー、今日も幼なじみが可愛い。
そんなことを思いながら廊下に出ると、北館にある音楽室が窓から見えた。
今日は午後から雨が降ってきたから、暗い灰色に空は覆われてるけど、なんとなくその音楽室に惹かれてしまって。
……久遠くん、いるわけないよね。
なんて頭の中で思ってるのに、自然と足は階段を上がっていた。