この恋。危険です。
'Canon'で飲んだ次の日。
そんな日に限って、竹中先生の当直と私の夜勤が被る。
はぁ。気まずい。
気まずいと思ってるのはきっと私だけなんだろうけど。
昨日、たくやとあんな話をした後だけに、余計に意識してしまう。
今日の夜勤看護師は、2人。
私と3年目の後輩。彼女は、彼女が1年目の時に私が指導係だった。
そのため、成長した今もなにかと相談をうけたり、ご飯を食べに行ったりする。私としては、自分が育てたこともあり、彼女のことは信頼している。
「今日の、患者さんの割り振りどうしますか?」
「んー。夕方オペから帰って来た患者さん、私がみるね。こっちの患者さん、お願いできるかな?」
「わかりました。」
話が早くて助かる。
消灯後、1回目の巡回を終え、ナースステーションに戻る。
ふと、彼が目に入った。
彼は出勤してから何度か席をたったけれど、それ以外はずっと真剣にPCに向き合っている。
時刻を見ると、23時を回っていた。
ご飯。食べてないよね………
「私、先に休憩入るね。なにかあったらPHS鳴らして。」
「わかりました。」
なにか、食べるもの買ってこよう。
幸いにもうちの病院に入っているコンビニは24時間営業している。
おにぎり2個とお茶を買って戻ると、やっぱり彼はPCに向き合っていた。
横からそっと声をかける。
「竹中先生。これ。よかったどうぞ。」
「ありがとう。そろそろ休憩しようと思ってたんだ。ありがたくいただくよ。」
そう言って笑う。
「無理、しないでくださいね。」
「上原さんも。寝られるときに寝ておきなよ。」
「そうします。」
私はスタッフルームへ向かった。