この恋。危険です。
仮眠をとって、ナースステーションに戻る。
後輩が1人でPCに向かっていた。
竹中先生は仮眠室に行ったようだ。
「ありがとう。なにかかわったことあった?」
「特にはなかったです。」
よかった。
「ありがとう。休憩行ってきて。」
「はーい。それより、見ましたよ。」
後輩がのにやりと笑う。
「竹中先生に差し入れ。まさか、友里さんが竹中先生狙いなんて知りませんでした。」
え?!
「いやいや、そんなんじゃないから。出勤してから、なにも食べてなさそうだったから、差し入れしただけ。」
「えー。そうなんですか?
でも、珍しいですね。竹中先生、差し入れって基本的に受け取らないんですよ。」
うん。知ってる。
「1人から受け取ったらみんなから受け取らなきゃいけないからじゃない?夜は他のスタッフいないから、気づかれないし。」
「あぁ。なるほど。じゃぁ、差し入れ受け取ったこと言わない方がいいですね。」
「そうして。」
私も、厄介なことは避けたい。
「それじゃぁ、休憩いってきます。」
「いってらっしゃい。ゆっくりね。」
よし、やるか。
夜勤帯は緊急がなければ暇だと思われがちだけれど、そんなことはない。
使い終わった汚れ物のの洗浄やからだ拭きのためのタオルの補充。
使ってない医療機器の動作確認。次の日のための点滴や薬剤のセッティング。採血の準備。などなど。
言ってしまえば雑用タイムだ。
ある程度は後輩が終わらせてくれていたので、残ったものを終わらせていく。
それが終わればやっと自分の時間になるわけだけれど。
のんびり遊べるわけじゃない。
マニュアルや患者さんへの説明用紙の改訂や、割り振られている係の仕事など。やることは山積み。
PCに向かって、どんどん作業を進めていく。