この恋。危険です。

家に帰り、シャワーを浴びたあと、のそのそと布団に潜り込む。
普段なら、眠くなって昼寝程度の仮眠をとるのだけれど。今日は、全然眠くならない。

竹中先生の言葉が頭のなかでくるくるまわる。

『大切なのは君なんだけど。』
『本気で落とすから。覚悟してね。』

彼は、どういうつもりなんだろう。
冗談なのか本気なのか………
竹中先生が本気でそんなことを言うなんて思えないけれど。

悩んでても仕方ないし、誰かに話を聞いてほしい。
スマホを取り出し、さくらにメッセージを送っておく。
しばらくすると返事が来た。
'OK。19時に、いつものところでいい?'
いつものところ。
同僚の愚痴だったり、処置や大変だった仕事の話だったり。職業的にも、人間関係的にも、まわりに聞かれたくないことが多い私たちは、いつも個室のある居酒屋にする。
'ありがとう。予約しとくね。'
返信して布団をかぶり直す。

19時か。
今はまだお昼頃。まだまだ時間はあるけれど、さくらに連絡して気が抜けたのか、だんだん眠気が襲ってくる。そのまま眠気に身を任せた。

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