この恋。危険です。
まさかの
4月。
新人看護師が入ってきたり、部署移動があったり、系列病院間でドクターの異動があったり。
なにかと忙しないこの季節。
この病棟で3年目の私はすっかりベテランの域。
その日も、日勤リーダーとして采配や新人の指導に頭を悩ませていた。
今日は看護師の朝のミーティング中に、新しく来たドクターにあいさつさせたいと、今朝、外科部長から言われた。ミーティングの終わりごろ来てもらえるように伝えてある。
時間を気にしながらミーティングをすすめていく。
ミーティングもほぼ終わり、狙ったようなタイミングで声をかけられた。
「ミーティング中にすみません。」
え?!
ミーティングの司会をしていた私はかけられた声に驚く。
いきなりだったからじゃない。
私の知ってる声だったから。
「看護師の皆さんに自己紹介してもよろしいですか?」
そういう彼は”カイ”だった。
「お願いします。」
平静を装うけれど……
なんで?!どうして。
私の頭はパニックだった。
新しくこの病棟へ配属になったのは、他の系列病院から異動してきたドクターが3人と、新人ドクターが1人。
それぞれに簡単な自己紹介をしていく。
カイの本名は 竹中 海斗
職業 ドクター
こんなところで、彼の名前を知るなんて思わなかった。
そして。
見てしまった。
彼の指に光る指輪を。
Canonで会ったときには1度だってつけてなかった………