認めたくないこの気持ち。
誰かの手があたしに触れた。


「キャアア!」


あたしは、涙目で府川に抱き着いた。


「あ、あ、愛希ちゃん・・・。目、つぶっといてね。連れてってあげるから。」


あたしはおとなしく、目をつぶった。


耳をふさいで手と言われたから耳をふさいだ。


「大丈夫だよ。愛希ちゃん。」


「うん・・・。」


それからしばらくたって、目の前が明るくなった。


外に出たんだろう。


「府川、もういいよ。ありがとう。ごめんね。」


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