さよなら、大好きな人
「旅人ってことは、色々な場所を見て来たんだよね?」
「まぁ……、それなりに?故郷からここまでにあった街ぐらいだからそれほど多くはないと思うけど」
確認するような問い掛けに、私は今までの旅を思い返しながら曖昧な答えを返す。
多いか少ないかと聞かれれば通って来た街の数は意外と少ない。
故郷からここまでの旅はそれほど困難でも無く、遠いと言えるほど遠い場所にある訳でもない。
だからと言って気軽に来れるような道程ではないのは確かで何とも言い難い距離だ。同じ大陸内にあって、結構な日数をかければ歩いて行けるような、そんな距離。
「俺はこの街から出たことがないんだ。良かったら話、聞かせてくれない?」
それでも問題ないとばかりにラウルはどこか顔を明るくさせながら、好奇心からなのかお願いするように口を開く。
話すことに何ら躊躇いはないが、仕事がある。
「今すぐは、ちょっと……。仕事に戻らないと」
「まぁ……、それなりに?故郷からここまでにあった街ぐらいだからそれほど多くはないと思うけど」
確認するような問い掛けに、私は今までの旅を思い返しながら曖昧な答えを返す。
多いか少ないかと聞かれれば通って来た街の数は意外と少ない。
故郷からここまでの旅はそれほど困難でも無く、遠いと言えるほど遠い場所にある訳でもない。
だからと言って気軽に来れるような道程ではないのは確かで何とも言い難い距離だ。同じ大陸内にあって、結構な日数をかければ歩いて行けるような、そんな距離。
「俺はこの街から出たことがないんだ。良かったら話、聞かせてくれない?」
それでも問題ないとばかりにラウルはどこか顔を明るくさせながら、好奇心からなのかお願いするように口を開く。
話すことに何ら躊躇いはないが、仕事がある。
「今すぐは、ちょっと……。仕事に戻らないと」