さよなら、大好きな人
自分よりは年下であるだろうし、どんな場所で育ったのかはわからないけれど居づらい場所だったのだろうか。


でも居づらい場所で育つにしてはティナの性格は明るく、優しい。

時折寂しそうに目を伏せることも少なくはなく、多分何かがあったのだろうということだけは想像がつく。



気にならないと言ったら嘘になる。
逢ったばかりかもしれないが、彼女には笑顔が似合うと思うから、暗い表情はして欲しくない。



問い掛けたら彼女は答えてくれるだろうか。

誰にでも聞かれたくない話はあるだろうし、もちろん自分にだってある。


とは言っても話したくないというよりは、ただ話して同情されたくない程度のそんな話だが。



聞くか聞かないか悶々と考えていたが、そんな俺の様子に気付くこともなくティナは何度か水場を行き来しながら水やりをしていた。



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