さよなら、大好きな人
そう思いながらも、ふとここに留まっている理由を思い出す。

客が途切れたのを確認して、近寄って来たラウルと話しているアンナさんに視線を向けた。



「アンナさん」


「あら、どうしたの？」


「その、結婚式って……どんな人達が挙げるかはわかっているの？」


「知ってるわよ。ラウルくんも知ってるでしょう？」



気になったことを私が問い掛ければ、もちろん、というように頷きつつもラウルへと視線を向けるアンナさん。



「……え？いや、俺は興味無いから」


「……。その辺りは変わらないわねぇ、ラウルくん」



話が振られるとは考えもしなかったラウルは僅かに驚いた表情を浮かべながら、知らないとばかりに首を横に振る。

返って来た答えに、アンナさんは、はぁ、と溜息を一つついて困ったように微笑んだ。



改めて確認するように呟きながらも、はっと私の疑問に答えていないのに気付いたアンナさんは私の方を向いた。

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