さよなら、大好きな人
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「……え?知り合い……?」
驚いた表情を浮かべているロイと、自分の背に隠れたままのティナ。
俺はただ、ただ驚いたようにそう問い掛けるが、答える声はない。
様子を窺うように車椅子に座ったままのミアへと視線を向ければ、彼女もまた驚きの表情を浮かべていた。
互いの名前を呼び合ったのだから知り合いなのは間違いないのだろう。
問題はロイがどこか気まずそうに視線を外したことと、身体を震わせて何かを怖がっているティナの様子だ。
俺はしばし考えようとしたが、ふと注目を浴びていることに気付く。
ここに居るのは色々とまずいかもしれないと思い、重苦しい沈黙を破るように言葉を紡いだ。
「積もる話もあるだろうから……。
そうだな、お嬢さん。教会の中に入っても大丈夫?」
「え?あ、は、はい。元々下見もあるので入るのは問題ないと思います、けど」
「中に人は?」