さよなら、大好きな人
ようやく視線から逃げられて小さく息を吐いてから、教会をざっと見回す。
この街に住んではいるが、実際にこうして足を踏み入れるのは初めてだった。
こんな機会さえなければ、入ることなく終わったかもしれない。
そう思いながら、人がいない事を確認するとどう話を切りだすべきか迷う。
本来であれば自分は部外者なのでここに居るべき存在ではないのだろうが、ティナが離してくれそうにないのでどうしようもなかった。
ティナが一言居て欲しいと言えば、掴まなくてもどこかに行くつもりはなかったのだが。
結局、誰も口を開くことなく数分が経過すると、沈黙に耐えられなくなったように躊躇いがちにミアの声が教会内に響く。
「……ロイ。お知り合いの方、ですか?」
「え?……ああ。知り合いって言ってもそっちの女の子の方だけど」
「そうですか……。え、っと、初めまして。ミアと申します」
「……初めまして。俺はラウル。俺の後ろにいるのがティナ」
この街に住んではいるが、実際にこうして足を踏み入れるのは初めてだった。
こんな機会さえなければ、入ることなく終わったかもしれない。
そう思いながら、人がいない事を確認するとどう話を切りだすべきか迷う。
本来であれば自分は部外者なのでここに居るべき存在ではないのだろうが、ティナが離してくれそうにないのでどうしようもなかった。
ティナが一言居て欲しいと言えば、掴まなくてもどこかに行くつもりはなかったのだが。
結局、誰も口を開くことなく数分が経過すると、沈黙に耐えられなくなったように躊躇いがちにミアの声が教会内に響く。
「……ロイ。お知り合いの方、ですか?」
「え?……ああ。知り合いって言ってもそっちの女の子の方だけど」
「そうですか……。え、っと、初めまして。ミアと申します」
「……初めまして。俺はラウル。俺の後ろにいるのがティナ」