さよなら、大好きな人
「へぇ。ここはちょっと入り組んでるからわかり難いかもしれないけど……、ここから真っ直ぐ行ったら開けた場所に出るから。そこを右に曲がればすぐに着くと思うよ」


「あ……ありがとう、ございます」



すっと教えるように指差しながら言葉を紡ぐ青年に、私は覚えるように頷きながらもはっと思い出したように礼を述べる。



「どういたしまして。それじゃあ、ね」



私の言葉を受け取るように青年は微笑みながら言葉を返し、ゆっくりと歩き出した。



青年の後ろ姿を見ながら、この近くに住んでいるのかもしれないと思った。

親切に教えてくれたことにもう一度心の中で感謝を述べながら、教えられたとおりの道を歩く。



ようやくメモの場所へと辿り着くと、見えた光景に思わず感嘆の声を上げた。



「わ、ぁ……」



広々とした土地一面に広がる色とりどりの花畑だった。

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