心にきみという青春を描く
7palette□ 透明に近い距離
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なぎさ先輩が光る絵の具で描いてくれた星。美術室にキラキラと星が浮かぶ空間で、先輩が私に打ち明けてくれた過去の出来事。
ひまわりと同じ漢字の日向葵さんのこと。
葵さんが日向くんの妹だということ。
そして、先輩をかばって葵さんが亡くなったこと。
時には思い出に浸るように話してくれた先輩も、やっぱり最後はとても苦しそうにしていた。
それから私たちは口数少なく夜の学校をあとにして、先輩は自転車で私を送り届けてくれた。
けれど、行きのようにぎゅっと手を回すことはできずに、出逢った頃と同じようにパーカーを小さく握るだけだった。
先輩と別れた私はすぐに家の中には入らなかった。
さっきの美術室での光景が嘘みたいに夜空には星ひとつ浮かんでいなくて、きっと分厚い雲が覆い被さっているのだろう。
先輩の心みたいに。