心にきみという青春を描く

「なんで？なつめにもらってほしくて描いたんだよ」

「でも……」

「ね？」


またそういう反則的に可愛い顔をする。私はキャンバスに描かれた自分を見つめながら、再びじわりと嬉しさが込み上げてきた。


「本当にいいんですか？」

「部屋の一番いいところに飾ってね」

「もちろんです……！」

私は宝物の絵をぎゅっと抱きしめた。


先輩は私があげた青いフルーツの絵をちゃんと部屋に飾ってくれている。

夏休み中に何回か遊びにいって、一時はあんなに殺風景だった部屋には以前のようにキャンバスが増えていた。

もちろん、その中に葵さんを想いながら描いた青いひまわりも大切に保管してある。


お互いの気持ちを確かめたことで、言いたいことも聞きたいことも我慢しなくなった。

先輩は変わらずに優しいけれど、その優しさの中に特別さがあることも感じているし、そんな先輩の隣にいられることができて私は贅沢すぎるほど幸せだ。


けれど、ひとつだけまだ確かめていないことがある。

聞こう聞こうと思っていたけれど、ずっとタイミングを逃してしまっていたこと。



「あ、あの、先輩。私たちってその……付き合ってますか？」


勇気を出したのはいいけれど、恥ずかしくて顔が上げられない。