心にきみという青春を描く
先輩に好きだと言われた。
私も好きだと伝えた。
でも付き合ってほしいとは言われてない。
私は恋愛経験がないので両想いということは必然的にそういうことになるのだと思っていたけれど、妹に聞いたら付き合わないパターンもある、とのこと。
「え、俺たち付き合ってないの?」
逆に聞き返されてしまい、そのパターンは妹に教えてもらってない。
なんて答えたらいいか分からずに黙っていると、「ごめん。言葉足らずで不安にさせたね」と先輩が申し訳なさそうにした。
そして先輩は私の手をぎゅっと優しく握る。
「なつめ。俺と付き合ってください」
まっすぐに言われたその言葉に私は「はい」と、手を握り返しながら答えた。