学校一の人気者に告白されました
「この子ね、本当はいるの。文化祭で思いきって告白するって決めたの」



「しないってば!」



「ひどーい。あたしにだけ強要するの?」



蘭ちゃんはむくれている。



けどっ、あたしまで告白するわけにはいかない。



もし、そんなことしたら…。



なんだか気まずいまま、蘭ちゃんの家との分岐路へ辿り着く。



陽向くんと二人っきりになり、さらに気まずい。



「お前さ、タキに告白するつもり?」



タキくんっ!?



「ちっ、違うよ!タキくんのことはなんとも思ってないよ?」



「ふーん。だったら誰だよ」



それは…。



ちらっと陽向くんを見ると、バチッと目があう。



心臓が跳ね上がり、心拍数が一気にあがる。



あたしが陽向くんに告白?



ええっ、無理無理。



やっぱりこれって、蘭ちゃんに無茶言ってることになるのか。



「実はっ!蘭ちゃんの好きな人が、文化祭に告白するらしいの。だからね、それを阻止するために蘭ちゃんに告白したらって持ちかけたの」



「は?」



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