学校一の人気者に告白されました
陽向くんはわけがわからないといった風に目をぱちくりしている。



「その…もし、先に蘭ちゃんが告白すれば…気が変わるかもしれないでしょ?失敗するかもしれない相手より、好きでいてくれる子の方になびくかなって。勢いで付き合えるかも」




「…お前、それ本気で言ってる?」



完全に呆れられてる。



「だっ、だめかな」



「だめっつーか、いやダメだな。好きじゃなかったら付き合わねーだろ」



…うわ、ちょっと感動。



女の子とすぐに親交を深めちゃう陽向くんから、そんな言葉が出てくるとは思わなかった。



「陽向くんが言うと説得力ないよ」



「なんで?俺、誰とも付き合ってないじゃん」



それはー…そうだね。



「あ…うん。そうだった。特別親密にしてるだけ…」



「嫌な言い方するなぁ。仲良くしてるだけ、ただの友達」



「ただの友達に腕組ませたり?仲良く早退したり…」




「あっちが勝手に絡んでくるだけ。早退にもついてくるだけ」



「えー…」



< 44 / 279 >

この作品をシェア

pagetop