学校一の人気者に告白されました
いや、百戦錬磨の陽向くんだよ。



こんなの言うの慣れてるだろうし、簡単に信じてもいいのかな。



けど、ここは認めておこうかな。



「ありがとう…」



あたしもっ。



って言えればよかったのに、言えなかった…。



あー、もうどれだけ勇気ないんだろう。



両思いなのに。



ずっと両思いだったってことなのかな。



それ、すごく嬉しい…。



家の前に着くと、陽向くんがあたしの前に立ち塞がった。



「また明日」



「うん…わっ、え…なに?」



そのまま帰るのかと思ったら、腰を屈めて顔を覗き込んできた。



「なにって…キス」



苦笑いしてますよー…。



あたし、全然空気読めてない!



「あっ…うん」



恥ずかしい!



目を軽く閉じ待っていると…。



「お帰りー!千衣、陽向くんと話すならあがってもらえば?」



お母さんっ!



回覧板をお隣に持って行くのか、手に持ち家の中から出てきた。



タイミング悪ーい。



それにもう、話は終わって帰るところなのっ。



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