あの日、もう一度
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『明日は久しぶりにお互い休みじゃない?ほら、前から言ってたお店。キャンセルが出たみたいで奇跡的に予約できたの!』
梨乃のこんなにも嬉しそうな笑顔は一体いつぶりだろう?
幸せそうな彼女の髪に触れようとするが、体が思うように動かない。
自然と開いた口からは機械的に言葉が紡がれる。
『悪い。ここの所、残業続きで疲れてるんだ…明日は家でゆっくりしたい。』
悲しそうに仕方ないねと笑う彼女の手がそっと僕の掌と重なった。
同時に僕の体は、彼女を拒絶するかのように手を叩く。
その時の彼女の表情が
今 も 忘 れ ら れ な い
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