あの日、もう一度
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目を覚ますと額から滴り落ちる程、汗をかいていた。
嫌なものを洗い流すようにシャワーを浴びて、スーツに着替える。
クローゼットが閉まらないので間を除くと白い箱が無造作に落ちていた。
重たい腰を下ろし拾い上げ、上を見る。
どうやら上の段から落ちてきたようだ。
何が入っているか思い出せずに蓋をそっと開けると、淡い紺色のネクタイがそこにあった。
これは確か、彼女からプレゼントされたものだ。
付き合い始めて間もない頃、彼女からの贈り物が嬉しくて。
もったいなくて使えなかったので奥にしまっておいたのだ。
結局、付けてる姿を一度も彼女に見せることはできなかったな。
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