あの日、もう一度
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梨乃の手を振り払った日は確か十一月半ばだったので、無くなる一週間前位だったはず。
僕が傷つけてしまったのが要因であれば僕が更生した今、それは解消されるだろう。
だが、原因が他にあったとしたら?
『ーーーー美月君に聞いてほしいことがあるの。』
頭が締め付けられるようにズキズキと痛みだし、僕は冷たい床にしゃがみ込んだ。
記憶を辿るのを阻止するような激痛を止めたのは、彼女からの着信だった。
「もお・・・今日はこのまま大人しくするって約束して?」
中々トイレから戻ってこなかった僕を彼女は具合が悪いと判断したようで、彼女に見守られながら僕は今布団にくるまれている。
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